あなたの老後、本当に大丈夫?今すぐチェック!

日本の年金制度を完全解説!厚生年金・国民年金の仕組みと将来予測

日本の年金制度を完全解説!厚生年金・国民年金の仕組みと将来予測

KIKI
約6分
シェア:
厚生年金国民年金年金制度マクロ経済スライド社会保険老後資金年金計算公的年金

日本の公的年金制度(厚生年金・国民年金)の仕組みを詳しく解説。年金額の計算方法、マクロ経済スライドの影響、将来の年金受給額の予測まで、具体的な数字を使って分かりやすく説明します。

日本の年金制度を完全解説!厚生年金・国民年金の仕組みと将来予測

チョー簡潔結論

Quick Recap

  • 日本の公的年金(二階建て構造)の仕組みと給付を図表と数値で整理。
  • 保険料免除制度やマクロ経済スライドなど、制度を左右する要素を詳細に解説。
  • 年収別の受給額試算や繰下げ受給の影響など、将来設計に役立つ具体例を提示。

KIKI からのアドバイス

KIKI
KIKI's Tip
年金制度を味方につけるには、次のポイントを押さえておくにゃ。
  1. ねんきんネットで加入記録と見込み額を確認し、未納・未加入期間がないかチェックするにゃ。
  2. 配偶者や家族の区分(第 1〜3 号)を見直し、必要に応じて免除や追納の申請を行う。
  3. 繰上げ・繰下げのシミュレーションを家計のキャッシュフロー表に組み込み、退職後の収支を比較する。

はじめに:なぜ今、年金制度を理解すべきなのか

「年金なんて、まだ先の話」そう思っていませんか?

しかし、年金制度の理解は老後資金計画の第一歩です。

2024 年の年金制度改正で、受給開始年齢の選択肢が 75 歳まで拡大しました。

この変化の意味を理解し、自分の老後戦略を立てることが重要です。

早めに理解することで、将来の選択肢が広がります。

import { PillarPageLink } from "@/components/blog/PillarPageLink";

<PillarPageLink category="年金" />

日本の公的年金制度の全体像

2 階建て構造の年金システムとは?

日本の年金制度は「2 階建て構造」になっています。

これは、基礎となる国民年金(1 階部分)の上に、厚生年金(2 階部分)が乗る仕組みです。

┌─────────────────────────┐
│   厚生年金保険(2階部分) │ ← 会社員・公務員が加入
├─────────────────────────┤
│   国民年金(1階部分)    │ ← 20歳以上60歳未満の全員が加入
└─────────────────────────┘

会社員や公務員は両方に加入し、自営業者は国民年金のみに加入します。

被保険者の種類

区分対象者保険料負担年金給付
第 1 号被保険者自営業者、学生、無職など月額 16,520 円(2024 年度)国民年金のみ
第 2 号被保険者会社員、公務員給与の 18.3%(労使折半)国民年金+厚生年金
第 3 号被保険者第 2 号被保険者の配偶者(専業主婦など)負担なし国民年金のみ

国民年金(基礎年金)の詳細解説

国民年金とは、日本に住む 20 歳以上 60 歳未満のすべての人が加入する公的年金制度です。

基礎年金とも呼ばれ、老後の生活を支える土台となります。

保険料と給付額

import { StatisticData } from "@/components/blog";

<div className="grid gap-4 md:grid-cols-2 my-6">

<StatisticData value="16,520円" label="国民年金保険料(月額)" source="厚生労働省「令和6年度の年金額改定について」" url="https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000147284_00006.html" date="2024-04-01" description="2024年度の国民年金保険料" />

<StatisticData value="816,000円" label="国民年金満額受給額(年額)" source="厚生労働省「令和6年度の年金額改定について」" url="https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000147284_00006.html" date="2024-04-01" description="20歳から60歳まで40年間(480ヶ月)保険料を納付した場合" />

</div>

満額受給とは、40 年間(480 ヶ月)すべて保険料を納付した場合の金額です。

月額に換算すると約 68,000 円(¥68,000)となります。

年金額の計算方法

基礎年金額 = 816,000円 × (保険料納付月数 ÷ 480ヶ月)

計算例:35 年間納付した場合

816,000円 × (420ヶ月 ÷ 480ヶ月) = 714,000円/年
月額:約59,500円

保険料の免除・猶予制度

経済的に困難な場合の救済制度:

import { DataTable, Blockquote } from "@/components/blog";

<DataTable

caption="国民年金保険料の免除・猶予制度(2024年度)"

headers={["制度", "対象者", "年金額への反映"]}

rows={[

["全額免除", "所得が一定以下", "1/2が年金額に反映"],

["3/4免除", "所得が一定以下", "5/8が年金額に反映"],

["半額免除", "所得が一定以下", "3/4が年金額に反映"],

["1/4免除", "所得が一定以下", "7/8が年金額に反映"],

["学生納付特例", "学生", "年金額に反映されない(追納可能)"],

]}

align={["left", "left", "left"]}

/>

<Blockquote source="日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」" url="https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/20150428.html" date="2024-04-01">

保険料の免除・納付猶予を受けた期間は、年金の受給資格期間に算入されます。 ただし、年金額への反映は免除の種類によって異なります。 追納することで、将来の年金額を満額に近づけることができます。

</Blockquote>

厚生年金保険の詳細解説

保険料の仕組み

保険料率(2024 年度)

  • 料率:標準報酬月額の 18.3%(労使折半で各 9.15%)
  • 標準報酬月額:88,000 円〜650,000 円の 32 等級

厚生年金の計算方法

厚生年金額は以下の 2 つの部分から構成されます:

1. 報酬比例部分

平均標準報酬額 × 5.481/1000 × 加入月数

2. 経過的加算

2003 年 3 月以前の加入期間に対する特別加算

具体的な受給額シミュレーション

ケース 1:平均年収 400 万円で 40 年間勤務

  • 平均標準報酬月額:約 33 万円
  • 厚生年金額:約 109 万円/年
  • 基礎年金と合計:約 190 万円/年(月額約 15.8 万円)

ケース 2:平均年収 600 万円で 40 年間勤務

  • 平均標準報酬月額:約 50 万円
  • 厚生年金額:約 164 万円/年
  • 基礎年金と合計:約 245 万円/年(月額約 20.4 万円)

マクロ経済スライドの影響

マクロ経済スライドとは何か?

マクロ経済スライドとは、少子高齢化に対応するため年金額の伸びを抑制する仕組みです。

これは日本の年金制度を持続可能にするために導入されました。

調整の仕組み

年金額の改定率は以下の計算式で決まります。

年金額の改定率 = 賃金・物価上昇率 - スライド調整率
  • スライド調整率:約 0.9%(2024 年度)
  • 例:物価が 2%上昇しても、年金は約 1.1%しか増えない

将来への影響予測

import { Blockquote } from "@/components/blog/Blockquote";

<Blockquote source="厚生労働省「2024年財政検証結果」" url="https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/nenkin/nenkin/zaisei-kensyo/" date="2024-06-01">

2024年の財政検証によると、所得代替率は現在の61.2%から2050年には経済成長ケースで50.8%、標準ケースで50.0%、低成長ケースで44.5%まで低下する見込みです。 所得代替率とは、現役世代の平均手取り収入に対する年金額の割合を示す指標です。

</Blockquote>

厚生労働省の 2024 年財政検証によると:

シナリオ2024 年の所得代替率2050 年の所得代替率
経済成長ケース61.2%50.8%
標準ケース61.2%50.0%
低成長ケース61.2%44.5%

所得代替率とは、現役世代の平均手取り収入に対する年金額の割合を示す指標です。

年金受給開始年齢の選択

繰上げ・繰下げ受給の損得計算

繰上げ受給(60〜64 歳)

  • 減額率:1 ヶ月あたり 0.4%
  • 60 歳受給開始:24%減額

繰下げ受給(66〜75 歳)

  • 増額率:1 ヶ月あたり 0.7%
  • 75 歳受給開始:84%増額

損益分岐点の計算

受給開始年齢年金額(65 歳時点=100)損益分岐年齢
60 歳76%-
65 歳(標準)100%基準
70 歳142%81 歳
75 歳184%86 歳

将来の年金額を増やす方法

1. 付加年金(第 1 号被保険者向け)

  • 付加保険料:月額 400 円
  • 受給額増加:200 円 × 納付月数/年
  • 回収期間:たった 2 年!

2. 国民年金基金

  • 自営業者向けの上乗せ年金
  • 掛金は全額所得控除

3. 任意加入制度

  • 60 歳以降も国民年金に加入可能
  • 65 歳まで(年金額が満額でない場合)

4. iDeCo との併用

  • 公的年金の不足分を補完
  • 掛金全額所得控除のメリット

年金制度の今後の見通し

2025 年以降の主な改正予定

  1. 在職老齢年金の見直し
    • 支給停止基準額の引き上げ検討
  2. 厚生年金の適用拡大
    • パート労働者への段階的拡大
    • 2024 年 10 月:51 人以上企業
    • 2026 年 10 月:全企業(予定)
  3. 保険料の見直し
    • 国民年金保険料の上限検討

KIKI からのアドバイス:年金戦略の立て方

年代別の対策

20 代〜30 代

  • iDeCo や NISA で公的年金の不足を補う
  • 厚生年金加入期間を最大化(転職時の空白期間に注意)

40 代〜50 代

  • ねんきん定期便で受給見込額を確認
  • 不足額を明確にして追加の資産形成

60 代以降

  • 繰下げ受給の検討(健康状態と相談)
  • 在職老齢年金の仕組みを理解して働き方を最適化

まとめ:年金は老後資金の土台

公的年金だけで老後生活を賄うのは難しいのが現実です。しかし、終身で受給できる公的年金は老後資金の重要な土台です。

今すぐやるべきこと

  1. ねんきんネットに登録して将来の受給額をシミュレーション
  2. 不足額を計算して、必要な貯蓄額を明確化
  3. iDeCo や NISA を活用した補完的な資産形成を開始

老後資金シミュレーション

具体的な数値で老後資金を計算したい方は、KIKI KANE シミュレーターをご利用ください。

目次

関連記事

年金・社会保障を含む老後資金計画についてもっと詳しく知りたい方は

老後資金計画の完全ガイドを見る →
老後資金を今すぐ試算する

住まいや教育費、年金の見込みを入力すると、KIKI KANE が 30 年先までのキャッシュフローを瞬時に計算します。

シミュレーションを始める